クソログ

愛は、誰を救えるのだろうか?孤独という、あの深淵から……

恋愛自己啓発物語読んだ

運命の恋をかなえるスタンダール

運命の恋をかなえるスタンダール

恋愛経験皆無の地味な三十路女性が、スタンダールの恋愛論を通じて憧れの人と結ばれるために成長していくというお話。
この話でも肝になっているのは、1人の人間を恋愛の対象として美化し過度に執着すると、自分の価値の低さを露呈してしまうことになるので、かえってうまくいかないという点である。これは恋愛工学でも言われている非モテコミットに通ずるところがある。モテない人間は余裕がないので1人の人間に執着してしまうから、ますますモテなくなる。一方、モテる人間は、その評価の影響(モテている人間は価値が高いはずという評価)でますますモテるようになる。これを恋愛工学ではモテスパイラル、スタンダールの恋愛論では「結晶作用」と呼んでいる。200年近くも前から非モテコミットがモテないことは指摘されていたのだ。

結晶作用とは、恋愛によってその対象を美化させてしまう心理を、塩坑に投げ入れられた枯れ枝が塩の結晶がつくことによってダイヤモンドで飾られたように見えるという「ザルツブルクの小枝」に例えたもの。
「ザルツブルグの塩坑で、廃坑の奥深くへ冬枯れで葉の落ちた樹の枝を投げ込み、二、三か月して引き出してみると、それは輝かしい結晶におおわれている。山雀の足ほどの太さもない細い枝も、無数のきらめく輝かしいダイヤをつけていて、もうもとの枯れ枝を認めることはできない

元は大したことのない人間でも、高い評判を得るなどして結晶作用が起こると、それ以上に魅力的な人間に見えるということだ。相手に対して結晶作用を起こしているうちは、非モテからは脱却できない。

興味深いのは、スタンダールは、恋を冷静に考え、恋の成就を日常茶飯事にしてしまったドン・ファンよりも、好きな女を妄想し、その女に近づけば震え、不安になってしまうウェルテルの方が幸福であると指摘している点である。
つまり恋愛工学信者のようにゲーム感覚で恋愛してたり、性欲に身を任せてたりしても、本当の意味で恋愛をしているとは言えないということだ。

なんか去年はいろいろもがいたけれど、結局これといった成果はなかった。成果はなかったけれど、失敗する経験を得ることが出来た。
失敗は苦しみである。苦しみや悲しみを多く味わえば、それだけ人は成長するのだろうか。苦しみが多ければ、そこから何かを見出す機会も平穏無事な生活より多くなるのだろうか。それは失敗した人間にしかわからない。

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