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クソログ

愛は、誰を救えるのだろうか?孤独という、あの深淵から……

キャンピングカー生活をたった4ヶ月で挫折した八木仁平君にプレゼントしたい本

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www.jimpei.net


八木仁平がキャンピングカー生活に挫折した。ちなみに八木仁平を知らない人に八木仁平について簡単に説明すると、八木仁平とは早稲田大学を卒業し、就職せずにブログの広告収入やセミナーでお金を稼いでいるフリーランサーである。


八木仁平は大学の卒業と同時にキャンピングカーを購入し、キャンピングカーでの旅や車上生活をブログでのコンテンツにしようとした。が、挫折した。ほぼペーパードライバーで運転が怖いし好きじゃない、内向的で性格的に旅が向いていないというのが主な理由だそうだ。


当たり前だけど、八木仁平に限らず車上生活なんて、最初の数日は新鮮かもしれんが、ほとんどの人にとってはキツイに決まっている。それでも4カ月は早すぎるという気もしなくもないが、1カ月で挫折する人がいたって全然不思議じゃない。


そもそも「運転が嫌いなのになんでキャンピングカーで生活しようと思ったんだよ、最初からわかってたことだろ」、というのが誰もが抱くであろう率直な感想だと思う。

でも僕自身、この企画自体はなかなか面白い、と思った。家に籠ってブログばかり書いているとどうしても取材不要なコタツ記事ばかりになる。そうなると周りと似たような記事しか書けなくなって、次第に行き詰ってくる。

ブロガーはPCやスマートフォン一つとネットが繋がる環境さえあればどこでも仕事ができる。場所や時間に縛られない。だからキャンピングカー(旅生活)とブログはすごく相性がいい。いろんなところを旅してその旅の内容をブログに書いていけばいい。そこで出会う人や見たことも無い景色、失敗やトラブルさえも全てコンテンツになる。


だけどやっぱり、ずっと「職業は旅人」は現実的じゃないしきつい。あれだけ啖呵をきっておいて4カ月はさすがに短すぎだけど、ずっとはできない。サスティナブルじゃない。だから、旅人になるのではなく「観光」をしようと勧めているのが東浩紀が書いた「弱いつながり」だ。

弱いつながり 検索ワードを探す旅

弱いつながり 検索ワードを探す旅

インターネットは「強いつながり」を強化する。つまり仲の良い人たち、属性が同じ人たち、同じ価値観の人たち、同じ組織に属している人たちの結びつきを強くする。Facebookにしてもtwitterにしても気に入らない人間はどんどんブロックして、自分にとって都合の良い人間たちだけとつるむことができる。それは居心地の良い世界かもしれないが、変化の無い世界でもある。予測可能な世界でもある。自分で選択しているつもりが、Googleによって見たいものだけを見させられ続ける人生になってしまう。
人は環境に規定される生き物だから、強いつながりの中にだけ居続けると、その環境の枠組みの外にあるような考えや発想が存在することすら認識できなくなってしまう。

人生をかけがえのないものにしたかったら、「弱いつながり」が不可欠だ。つまり、自分の行ったことのない場所に実際に足を運んでみることだ。不確実な場所に身を委ねてみることだ。そこには自分のことをあまり知らない人がいて、そういう人たちが自分に思いもよらないようなアドバイスをくれたりする。強いつながりの中では自分のことをよく知っている人たちばかりだから現実的な予測可能なことしか言ってくれない。

でも「弱いつながり」だけでも人は生きていけない。八木仁平がキャンピングカー生活を挫折したように。人はずっと共同体の中で生きることに幸福を感じてきた生き物だからだ。職業旅人は高城剛のように頭の良い人にしかできない。


「強いつながり」だけだと人生はどんどん予測可能で規定されたものになっていく。一方で「弱いつながり」だけだと持続可能性がない。

だからこそ「観光」なのだ。「強いつながり」に「弱いつながり」を取り入れるのだ。移住では、別の「強いつながり」に属するだけだ。つまるところ「生きる」とは「生活を継続すること」。最も持続可能なのは、なんらかの共同体に所属しつつ、つかの間に旅に出る「観光」である。


僕は八木仁平をはじめブロガーがなぜわざわざセミナーなどを開き、他人を巻き込む必要があるのかずっと不思議だった。ブログなんて一人で書けるじゃん、と。もちろん単に「金のため」だという理由もあるだろう。だが、本当の理由はおそらく、彼ら個人事業主は所属する共同体が無く、孤独に耐えられないからだろう。キャンピングカーで生活するということはリアルワールドでの強いつながりから隔離されることでもあるのだ。

お題「プレゼント」