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愛は、誰を救えるのだろうか?孤独という、あの深淵から……

きみとぼくのぬぬぬ

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志乃ちゃんは自分の名前が言えない

志乃ちゃんは自分の名前が言えない

「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」という、吃音をテーマにした漫画を読んだ。

吃音というのは「どもり」とも言われるが、言葉が円滑に話せない疾病のことで、発語時に言葉が連続して発せられる、瞬間あるいは一時的に無音状態が続くなどの症状を示す。吃音ってのは本人にしてみればかなり深刻な問題である。近年、吃音の看護師が職場で理解を得られず、それを苦に就職して4か月後に自殺してしまったという事件もあり、いたましいことこの上ない。

思い返してみると、あれはまだ僕が中学生の頃で、総合学習かなにかの授業だったと記憶しているのだが、クラスの中で複数の班を作って、自由研究を発表するというものがあった。

その中で、実に際立って奇異な話し方をする男がいた。話しはじめるときに、「ぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ」と物凄いスピードで「ぬ」という音を発声しはじめたのだ。

最初は、鳥の鳴き声か何かを真似してるのかと疑ったが、どうやらそうではないようだった。おそらく、人前で話すことによる緊張が起因していることが想像できたが、「なにこいつ「ぬ」を連発してんだよ、連射機かよ。わけわかんねえ」、というのが当時の僕の率直な感想だった。

「ぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ、これは~~~ということで、ぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ、~~~であるからして、ぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ、~~~~~です。」

といったように、とにかく「ぬ」の連発がとまらない。ぬの雨あられである。

なんともいたたまれない気持ちでそれを眺めていたのを憶えている。今にして思えば、あれも吃音の一種だったのだろう。

実はあれは「ぬぬぬぬぬぬぬぬ」ではなくて「にゅるにゅるにゅるにゅるにゅるにゅるにゅる」と言ってるのであって、それがあまりに高速すぎるため「ぬぬぬぬぬぬぬぬぬ」と聞こえてるだけだという噂もあった。本当だろうか。どちらでもいい。
今となっては彼が吃音を克服しているかを知るすべはない。



きみとぼくのラララ