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クソログ

愛は、誰を救えるのだろうか?孤独という、あの深淵から……

「失敗すれば即終了!日本の若者がとるべき生存戦略 」を読んで

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「マスこいてんじゃねえ!」というブログを運営しているRootportさんの書いた本を読みました。

失敗すれば即終了! 日本の若者がとるべき生存戦略

失敗すれば即終了! 日本の若者がとるべき生存戦略


読んでみて分かったのは、タイトルにある「失敗すれば即終了!」というのは、いわゆる「学校を出てサラリーマンになって定年まで勤めあげるというレールから外れる」という意味ではないということ。彼の言う「失敗」とは少子高齢化で日本が衰退することです。少子化の原因や少子高齢化に対抗するのに日本人がどうするべきかっていうのが延々と書かれています。

彼の根底にあるのは「社会を変えるには一個人が変わることが必要で、一個人が変わることで社会全体が変わる」っていうごくまっとうな思想なんですが、どこかあまり好きになれない「熱さ」のようなものがあります。なんというか、自分の書いた文章を人々に読んでもらうことで影響を与えて行動を変えることが文章屋の使命みたいなことを糞真面目に考えてそうで反吐が出るのです。

「病院の一室で細胞の中の蜂が死ぬように死んでいく」とリルケが言ったように、現代人はドラマティックな死が出来なくなった。

生存戦略。Rootportさんに限らず、組織に所属するにしろ、個人にしろ、いかにすれば生き残れるかを語る人はたくさんいる。
どうすれば生き残れるかを語る人は多いけれど、なんのために死ねばいいかを語る人は少ない。なんのために死ねばいいかわからないから、なんのために生きればいいのかも分からない。ただ、生きて生きて、生き延びて、病院の一室で細胞の中の蜂が死ぬように死んでいく。

生きることを無上の価値とするこの国では、「なんのために死ぬのか」という問いが無い。人はいずれ必ず死ぬというのになんのために死ぬのかという問いが無いのだ。だから、ただ生きる。いつ死ねばよいか分からないから生きる。とにかく生きる。呆けても、歩けなくなっても、誰からも必要とされなくなっても、なんのために死ねばよいか分からないから、死ぬ理由が無いから生き続ける。そしてわけもわからないまま糞まみれになりながら死んでいく。

社会のために生きて、そうして生き残った命で何をするのやら。それがわからぬのに生き延びたところで何が何やら。この国の人間に必要なのは、何故死ぬか、なんのために死ぬのかを考え抜くことじゃないだろうか。