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クソログ

愛は、誰を救えるのだろうか?孤独という、あの深淵から……

普通の生き方について

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soredemo-blog.hatenablog.jp


かつて梁山泊というパチプロ集団がいた。ふとテレビに目をやると20代前半と思われる若者が映っており、1日にパチンコで稼いだ10枚の1万札をひらつかせていた。大学を中退し梁山泊に入ったというその若者は、こう言い放った。「いわゆる普通の生き方ってあるじゃないすか。サラリーマンになって定年退職っていう・・。僕は普通の生き方はしたくなかった」。

あれから彼がどうなったのかは知る由もないが、いつの時代も普通の生き方をしたくないと考えている若者はいるのかもしれない。

僕も、どちらかというと「普通の生き方」のようなものに希望をつなぐことができなかった側の人間で、おびただしい数の人間が、線をなぞるかのように、皆同じような生き方をして皆同じように死んでいくことに虚無感を感じずにはいられなかった。ぬら君の父親と同じように、僕の父親も平日は会社と自宅の往復で、疲れ果てていて趣味も友達もほとんどなくて休日はいつも寝ていて、それが本当に良い生き方なのかどうかわからなかった。

それでも、僕は普通に就職して働くことを選んだ。
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉があるけど、僕は実際に経験することでしか学ぶことができない愚か者であるからして、いわゆる「普通の生き方」が本当につまらないかどうか、一度はやってみなければ気が済まなかった。やったこともないくせに普通の生き方がつまらないなんて言いたくなかったんだ。
それに「普通ではない面白い生き方」というものがあったとしても、それを担保しているのが「普通の生き方をしている親の財力」であることに僕の美意識が耐えられなかったということもある。
それはつまりどういうことかというと、サラリーマン批判をしているイケダハヤトの生き方を担保しているのはサラリーマンだということである。なぜならイケダハヤトが利用しているアフィリエイトサービスプロバイダを運営しているのは紛れもなくサラリーマンであり、その他にもイケダハヤトが購入した草刈機、シャベルやスコップ、レーキなどの農機具、クルマ、太陽光発電システム、キャンプ道具一式、スペースドラムなどは全てサラリーマンがサラリーマンとして働いているからこそ手に入る物であり、そのような現実から目を背けてサラリーマン批判をして生きることは僕の美意識が耐えられないのと同じことである。

要は、誰かの「普通の生き方」の犠牲の上に、「普通じゃない生き方」ができているのだとしたら、そんなもんはイランということである。
それでも普通じゃない生き方をしたかったら、誰にも経済的に頼らずにするべきだと僕自身は思っている。だから僕は普通に働くことを選んだ。

ニートになる人間のメンタリティにはどこか共通点があるのかもしれない。そう思ったのは闇金ウシジマくんを読んでいた時である。「闇金ウシジマんくん」のフリーター偏に登場するウツイユウイチは30半ばで日雇い派遣をして糊口を凌いでいるパラサイトシングルであり、仕事が無い日は朝からパチンコ三昧という体たらくぶりである。象徴的なのは、ウツイが小学生の頃の旧友とデパートで偶然会って一緒に食事をするシーンである。旧友はウツイの初恋の女子と結婚しており、子供連れでデパートに来ていたところにちょうどウツイと出くわすのだ。
人間関係も含めあらゆる面倒事から逃げてきたウツイから出てくる話題の記憶は小学生高学年くらいで止まっていて、家庭を持って定職に就いている旧友と、会話がいまいち噛みあわない。一方、旧友は家庭や住宅ローン、大変ながらも仕事にやりがいを持って取り組んでいることなどを話すのだけど、それをウツイは「ま、つまらん人生を送っているわけだ」と一蹴する。
それに対して旧友も「ウツイは楽しそうっていうか楽そうでいいな」と応酬するのだが、「楽じゃねえよ!俺と入れ替わったら普通の人間はストレスで耐えられない」とマジギレするのである。

これ、「まんまぬら君じゃん」って思った。ぬら君も「ニートになるよりも普通に就職してサラリーマンやってる方が精神的に楽」って言ってたし、ウツイの旧友みたいな普通の生き方を「つまらない」って思ってるし、(つまらないって思ってるから未だにニートやってるわけで)、人間関係は煩わしいっていう理由で友人はいないみたいだし、ウツイもブログ書いてるし、パチンコ依存症だし、それでいて何者にもなれていない。ウツイのモデルってぬら君じゃね?っていうくらい共通点が多い。

でもさ、たぶんウツイのモデルってぬら君じゃないんだよ。きっとウツイみたいな人ってたくさんいるんだよ。ウツイみたいな人がたくさんいるってことはぬら君みたいな人もたくさんいるってことなんだよ。たくさんいるってことはさ、それはつまり、ありふれた、どこにでもいる、同じような、うだつのあがらない、つまらないふつーの生き方ってことなんだよ。哀しいけどさ。

俺は出来るだけ傷つかないように無難に人と関わってきた。
楽だから。
負担やストレスを感じるくらいなら1人がいい。
楽だから。
橋本は俺にないもの全部持っている。
学歴も家族も仕事も持っている。
でも今の俺には欲しいとも思えない。
今俺が欲しいものはたった一つ。
たった一つだけ。

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