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クソログ

愛は、誰を救えるのだろうか?孤独という、あの深淵から……

寂寞

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二人で行先の知れない電車に飛び乗った。
何度も知らない駅で乗り換えた。
あれは何だったんだろうね。
あのいっぱいの、あふれそうな気持ち。

初めての景色を見てるうちに心細くなって、本当は話しかけたかったのにずっと君に背を向けていた。
窓ガラスに額をつけて君は目を閉じて揺られていた。

行き着いた駅には背の高い向日葵が埃をかぶって咲いていた。
小さな駅で人影もなく、蝉の声しか音がなかった。

僕らは向日葵を見て、蝉の声をきいて、日が暮れるまでただ座っていた。
そうしてまた僕らは電車に乗った。
逃げてきたもののところへ帰るしかなくなって。

夏休みが終わると君の髪は肩まで伸びていて、僕は急に背が伸びて、あの気持ちはまだ続いていたのに僕らは少し遠くなった。
最後に着いたあの駅はどこだったのだろう。
地図を見ても載っていない。人に聞いても知らないという。

もうどんなに電車を乗り換えても君も僕も二度と行くことのできない場所。
あれは夢だったのだろうか。
僕らは同じ夢にまぎれて、同じ夢を彷徨ったのだろうか。
やけるような暑さの夏の中で。