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クソログ

愛は、誰を救えるのだろうか?孤独という、あの深淵から……

幸福を最大化するには

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「君には野心が無い」。

初めて就職した職場で査定の際に上司から言われた言葉だった。たしかにその組織において僕は野心がなかった。
野心など持てるはずがなかった。いや、正確には「本当の意味」で野心があったからこそ、なのかもしれない。


ハンナ・アーレントは「人間の条件」という本でこう書いている。

「私たちは、生産的な奴隷状態か、非生産的な自由かという、どちらかといえばこの悲惨な二者選択に迫られている」。

僕は、まさに、この「非生産的な自由」にとりつかれた人間だった。この世界に惹かれていたら、ネットに入り浸る人間になってしまった。この世には、この世界でしか生きがいを見いだせない人間が確実にいる。この世界の甘い匂いに誘われ、自分の唯一無比の個性にとりつかれると、最後には、自尊心だけが肥大化したケダモノになってしまう。この世界では、「モノ」より、「評価」が、大きな価値を持つ。結局のところ幸福というのはどれだけ人に評価されるかによって決まる。SNSが爆発的に流行したのは「他者から評価される」ことが人間の欲望の根源だからだ。

僕が会社員という生き方にどっぷり憑かれなかったのは「組織のために一人称を消す仕事」に耐えられなかったからだ。「自分の影響力に結びつかない」会社のシステムに、僕は耐えられなかった。
なんら拡張性の無い閉鎖的でちっぽけな組織の中でどれだけ出世して活躍したところで、ほとんど誰にも知られることなく死んでいく。
そんなもののためになぜ身を粉にして働くことができるのか、僕にはさっぱり理解できなかったのだ。

インターネットには拡張性があるが、閉鎖的なサラリーマンの世界と違って成功者は一握りだ。1000人の人間がいれば999人の養分を尻目に1人の成功者が総取りする。ヒカキンのように。
それが拡張性のある世界の法則なのだ。
だから、多くの人はたとえ閉鎖的でもリスクが限定されている生産的な奴隷に落ち着くのだろう。